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蚕糸館のあゆみ
 

かつて、徳島県は西日本においてトップクラスの繭の生産量を誇っていました。その中心だったのが美馬市とつるぎ町です。この地域から出荷される繭は良質でした。しかし、1970年代後半~1980年代前半ごろから生産量は減少し、2008年頃には県内から養蚕農家はなくなってしまいました。

お蚕さんが作る繭、繭からできる生糸はすばらしいものです。その良さとこの地域での歴史を伝えていくことは、魅力ある活力に満ちた地域づくりに繋がるものと考えています。

 さらに、現代においては、私たちの生活に欠かせない衣がどのように作られているかを知る機会はほとんどありません。そこで、絹織物ができる過程を体験し、衣がどのように作られるかを知っておいてほしいのです。蚕から繭を作り、繭から生糸を作り、その生糸を使って機織をし、絹織物ができることを体験することは、生活文化や伝統を理解し、心豊かな生活を実現するために重要だと考えています。

 

 

 県下唯一の蚕糸記念館として、「特定非営利活動法人美馬蚕糸館」を新たに設立しました。

養蚕に関する資料を一般の多数の方々に公開し、お蚕さんを飼って糸を紡ぎ、機織して反物ができる過程を見学、体験することができる施設を運営し、個性豊かで活力に満ちた地域づくりを進めていきます。

    2003年11月  蚕糸記念館をオープンしました。

 徳島県内から養蚕の歴史が全く無くなってしまっては寂しい、小さくても残したいとの思いからでした。

 個人で開設していた当時は、養蚕の歴史、製糸、生糸、機織、に関するパネル・器械展示を行っていました。さらに、小学校3・4年生の産業学習として、養蚕指導、機織の体験、繭細工、草木染や製糸の体験などに取り組んできました。また、一般の方への体験施設として地域の方々に親しまれていました。

    2015年3月  特定非営利活動法人美馬蚕糸館を設立しました。

 任意団体として実践してきた活動や事業をさらに地域に定着させ、継続的に推進していくことと、地域全体へ活動を広げていくために他地域の行政や関連団体との連携を深めていく必要があること等の観点から、社会的にも認められた公的な組織にしていくことが最良の策だと考えました。

 既存の施設を有効活用するとともに、養蚕を通じた地域の活性化を図り、これまでの活動成果を生かしつつ、より幅広く活動を展開するために地域の皆さんと法人化を検討し、新たに特定非営利活動法人を設立する方向となりました。

 また、当団体の活動が営利目的でなく、多くの市民の方々に参画していただくとことが不可欠であるという点から、特定非営利活動法人格を取得するのが最適であると考えました。

 設立してからは、養蚕農家を復活して繭の生産を始めました。また、生糸の生産としては極太の生糸を独自に作り、機織に活用したりしました。

 現在では、繭から、生糸から、機織から出来る様々な製品に取り組んでいます。

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